メモ帳

千葉の田舎で生まれ、東京の出版社で働いている20代。ノンフィクションを中心に、読んだ本や観た映画についてのメモ代わりに書いています。

【旅行記1日目前半②】HELP!

 

こんにちは。間が空いてしまった…。前回はこちら

 

さて、朝6時にKLの空港についた。ちなみにAirasiaは専用のターミナルを使う。流石は本家マレーシアと言いたいところだが、こちらのターミナルはメインではない。

 

ところで、僕はかなり焦っていた。それは時間が早いからではなく、自分の不手際(?)で入国手続きができないからだ。

羽田からのフライト中、なんとなしに「地球の歩き方」を眺めていた。すると、巻末の方にある「入国と出国の手続き」という欄に以下の一文があることを発見してしまった。

 

…ただし、出国用の航空券(陸路出国の場合は、近隣国から出国する航空券)が必要。(「地球の歩き方 マレーシア ブルネイ」) 

 

なんてこった。僕は日本の発着を含めて合計5回飛行機を使う予定だったのだが、スケジュールを固定したくないので、チケットは全て直前にLCCで取るつもりだった。

僕の計画では、マレーシアのジョホール・バルから陸路でシンガポールへ入り、シンガポールに数日滞在した後に再びマレーシアのクチンという街へ、今度は飛行機で向かうつもりだった。しかし「地球の歩き方」の一文を信じるなら、僕はシンガポールからクチンへのチケットがないと、入国ができない。

 

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そのため僕は、KLの空港に着いたものの焦っていたのだ。後は入国検査をするだけという段階なのだが、僕は立ち止まってフライトを予約する必要が出てきてしまったのである。

友人から借りて持ってきたiPadを使って、AirAsiaのチケットを取る。空港は電波が悪く、中々繋がらない。これもサブターミナルのせいだろうか。階段をウロウロしながらiPadとにらめっこをしている僕は、他の利用客からはかなり怪しく映っただろう…。

 

接続の悪いネットと格闘すること30分、ようやく「シンガポール⇒クチン」のチケットが取れた。万歳!

…しかし、である。賢明な人間なら前の段階で気づくと思うが、このチケットは再びマレーシアに入国するためのものであり、マレーシアを「出国」した後のチケットではないのである。

【マレーシア⇒(陸路)⇒シンガポール⇒(空路)⇒マレーシア⇒(陸路)⇒ブルネイ⇒(空路)⇒インドネシア

という暫定的な計画を基にするならば、僕はブルネイからインドネシアへの航空券を見せる必要があるのではないだろうか?

この考え(というよりかは嫌な予感)は、シンガポール発のチケットを探している時から浮かんでいた。うーむ、もしブルネイからのチケットが必要だとしたら、相当面倒くさい。だいぶ先までスケジュールが縛られてしまうからだ。

 

ただ僕はシンガポールのチケットを取ることで疲れてしまっていたし、入国のシステムもよくわからなくてイライラしていたから、もうとりあえず審査に行ってしまうことにした。

入国審査では、目つきの悪いおっさんが相手だった。パスポートを見せて、滞在は1週間程度だと告げる。その後、指紋登録を行う(マレーシアでは入出国の際に指紋認証が必要)。…その後、何事もなく僕は通ってしまった。

 

「…今までの苦労は何だったんだよ!!」と心の中で叫ぶ。別に出国後の航空券なんぞ持っていなくても問題なかったのだ。取り越し苦労とは正にこのことである。散々頭を絞ってスケジュールやらお金やらなんやらを考えていたが、別にそのまま入国審査していればよかっただけなのだ。1時間を棒に振ったとも言える(まあ朝の6時なのでそれは構わないが)。

 

しょっぱなから考えの拙さとビビリな性格が発揮されてしまった。だが、なにはともあれ僕は、旅の始まりの地であるマレーシアに「正式に」降り立った。

 

この時の僕には、ワクワクや楽しみといった感情はなかった。そうではなく「ついに着いてしまったのか…」「また東南アジアなんかにわざわざ来てしまったのか…」とずっと思っていたのである。でもそれは、決してネガティブな感情ではない。それは例えば悪友と一緒に悪ふざけをする時に少し似た、変にニヤニヤしてしまう感じである。

自分がなんでこんな所に一人ぼっちで立っているのかよくわからなかったが、自由と恐怖が入り混じった感情で、僕はニヤニヤしていた。

 

【旅行記1日目後半】へ続く(ようやく空港から出ます)