メモ帳

千葉の田舎で生まれ、東京の出版社で働いている20代。ノンフィクションを中心に、読んだ本や観た映画についてのメモ代わりに書いています。

「おにぎりマネ」に群がる馬鹿な人たち(僕もこれを書くことで、その一人になってしまう)

 

甲子園を見ていたら、どうやら春日部共栄のマネージャーを取り上げたTVや新聞記事が話題になっているらしい。そして、それを「男尊女卑」とか「勉強させろ」とか言って叩く奴らと、さらにそれに対して「本人の自由」とか「えせフェミニスト黙れ」とか言って叩く奴らがいる。

僕はどちらかを選べと言われたら、後者の立場である。「本人の自由」ということが一番大きな理由。学校や野球部が何をしてどういう選択肢を与えたり与えなかったりしても、最終的には本人の問題。別に好きでやってるのならそれで良くない?と思う。

 

で、本題はここから。

この一件は本来「どうでもいい話」のはずなのに、こんな事に対して議論が巻き起こっている事自体が気持ち悪い。昔ならフェミニズムとかそういう話を抜きにして、そもそもこれが「問題」になることはなかった。

しかし今はネットという誰でも簡単に何も考えずに思い付きの声を出すことができる環境があるせいで、すぐに何でも「問題」になってしまう。最早「問題」というより「ネタ」と言った方が正しい。話していることへの「思想的強度」が弱すぎるのだ。

 

別に他の話(例えば慰安婦とか)なら、それもまだ許される。でも今回は特定の個人や集団、しかも高校生という繊細な人たちが(本人たちは意図せずに)議論の対象となってしまっていることを考慮しなきゃいけない。彼らは「なんか勝手に問題にされてて、勝手に自分たちのことが分析されていて怖い(、しかも的外れだし)」と思うのでは?(これは推測です。)

 

さらに、これを問題として取り上げる人たちには大きな問題がある。それは、実態に即さない憶測で話している点、そして「憶測である」ということへの意識が欠如している点である。

つまるところ、スポーツ紙が見せ方を工夫しているのを踏まえないで、そのストーリーを基に話を進める馬鹿が多すぎるってこと。一度でも何かに取材された人やその現場を見た人はわかると思うが、メディアに出る部分は決して「日常」ではない。

これに関しては、別にメディアが悪いわけではない。なぜなら「嘘はついていない」からだ。10個あるシーンから最も映りの良い1個を選ぶことは、悪いことではない。むしろそれは、メディアが求められている「編集」という作業である。

今回この「問題」について話している人たちは、「残りの9個」的なものへの想像力が足りていないのだろう。

 

これを「問題」にしてしまった人たちは、自分の発言が、その対象(マネージャー、部員、高校etc)の目に入ることを一瞬でも想像しただろうか?そして勝手に叩かれて更に叩いたやつらが叩かれて…。

「賛否はどっちでもいいから、とにかくほっといてくれ」というのが春日部共栄サイドの心情ではないだろうか。まだ勝ち残っているわけだし、ほっとくことが彼らへの一番の思いやりだと思う。だから、「フェミニry」とか叫んでいる奴を叩き返すこともしない方が良いと思う。とにかくこの話はさっさと終わらせるべきである。大体フェミニズムとか進学に関する議論がしたいなら、他にいくらでも題材はある。安倍政権の言う「女性の活用」についてでも語ってればいいじゃん。

 

要するに

  1. メディアが加工した情報に踊らされる奴多すぎ

  2. 自分の発言が誰にどのような影響を与えるのかを考えない奴多すぎ

 

ということである。1については推測だが、日頃メディアを叩く人間に限ってこれに当てはまるのではないだろうか。2も含めて、結局は自分の頭で考えられない馬鹿なんだろう。「想像力の欠如」とは本当に恐ろしい。情報の受け取り方も出し方もよろしくない。

 

以上。あまりにも馬鹿馬鹿しすぎて、逆に気になって書いてしまった。この文章を書くこと自体が、これを「問題」として取り上げることになってしまうのは忍びない。ただ、なんかおかしくない?と思ってしまったので。オンラインオフラインの両方で(大体は不毛に)叩かれた経験が少しだけあるので、気になってしまった。

春日部共栄に関わる人たちには、わざわざこんな話を取り上げてしまい申し訳ない。ほっとくので頑張ってください。