二流社会人のメモ帳

興味のあることを徒然なるままに独りごちる。

映画の感想:ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

ティル・シュヴァイガーがカッコよすぎる。それに尽きる。

北野武が「説明が多すぎるから」という理由でフォレスト・ガンプをあまり好きではないらしいけど、この映画はそういう考え方の人はハマると思う。ティル・シュヴァイガーの目つきとかは100のセリフよりも多くを語っている。

ユーモアのセンスとかも良くて、やっぱりこういう類の作品は日本では作れないなと感じる(良い悪いではなく、タイプの問題として)。こういう欧米的なユーモアのセンスは「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」とかに近い。

 

でも、普通のコメディとは違うところが、常に「死と隣り合わせである」こと。見る側はルディとマーチンの破天荒な笑いの裏側に、彼らの死への恐怖とか悲しみとかいろんなものがごっちゃになった気持ちを読み取るのでは。

 

癌で若くして亡くなった奥山貴宏が、自分のブログの中で「悲しみとか苦しみみたいな負の感情は絶対に見せない、それは自分一人で楽しむものだから」みたいなことを書いていて、それがすごくカッコいい生き様だと思ったんだけど、ルディとマーチン(特にマーチン)もそれと同じような感覚なんだろう。

 

あとは、物語のラストシーンでかかる、表題と同名の曲(原曲はボブディラン)も、タイミングが絶妙。なんともいえない感触を残す。悲しい結末だけど、彼らからすればハッピーエンドなんだけど…どう受け止めれば良いのだろう…っていう。ラストシーンの描き方は素晴らしい。

 

自分はこういう、乾いた描写の中に笑いが散りばめられていて、全体的に哀愁が漂う作品が好きなんだろう。