メモ帳

千葉の田舎で生まれ、東京の出版社で働いている20代。ノンフィクションを中心に、読んだ本や観た映画についてのメモ代わりに書いています。

フットボール観戦記:セビージャvsフィオレンティーナ

 

CLばかり見るとお腹いっぱいになるので、たまにはELを。とはいってもBEST8より先は、CLで顔合わせてもおかしくないようなレベルになるんだけど。

ウイイレでもしばらくすると、ポルトとかバレンシアとかナイジェリアとかアメリカが使いたくなるよね。高校のサッカー部の同期に小島って奴がいて、そいつはサッカーが恐ろしく下手な代わりにウイイレがめちゃくちゃ強かった。サッカーの才能を悪魔に売ってウイイレの才能を手に入れた男。いや普通は逆を選ぶだろ。

 

ということで、セビージャvsフィオレンティーナ。互いに丁寧なサッカーをする好チームで、割とオープンな展開が予想される。ELとかの良い所って、馬鹿みたいに退屈な試合も時々あるけれど、基本的にはオープンなガチンコの戦いが見られる。今シーズン見た中では、ザルツブルグvsビジャレアルなんかが典型。

 

感想。実際、スコア程の差はなかった。セビージャの方がレアルやバルサ相手に揉まれている分、試合巧者な感じがある。選手レベルでもそれは言えて、フィオレンティーナの今を象徴するサラーは若さ溢れるイケイケなプレーが魅力で、セビージャのバッカは「狡猾」という言葉がしっくりくる感じ。どちらも良い選手なのだけど。

正直、3-0という結果はセビージャにとってできすぎだった。前半はフィオレンティーナの方が、チャンスも多かったしポゼッションで押し込んでいた。

この試合のポイントとなったのが、良くも悪くもセビージャの右SB、アレイシ・ビダル。ふらふら~とあてもなく彷徨うレジェスと、それにより空いたスペースを縦に突っ走るアレイシ・ビダル。この関係は、シティにおけるシルバとサバレタに似ている。

ビダルは2ゴールをあげてヒーローになると同時に、一列前を本職とする故の守備力の低さで、ホアキンの再三の突破を許すこととなった。(それでも何とかなったのは、相手が外してくれたから)

あと、ビダルの1点目は良いシュートだったが、2点目は相手GKネトのミスである。ニアサイドを破られることはGKにとって、股抜き以上にされてはならない禁忌。

 

フィオレンティーナロマン主義の匂いを残すチームって感じ。ユベントスとの試合を観た時も感じたのだが、内容が良い時に決めれず最後は突き放されてしまう。丁寧なサッカーをしているし好感は持てるのだが。ある意味、日本代表のサッカーと似ている。しかしあのサッカーをするのなら、前線はゴメスじゃ務まらない。もう少しボールを収めてポストができる選手の方が良い。その方がサラーのスピードも活きる。

 

しかしオレが小学生の頃に「ブレイク中の若手」だったホアキンレジェスも、今ではすっかりベテランの域に。それでも第一線でやれているのはスゴイと思う。それに、ベテランになったことで余計なプレーをしなくなった。技術があるだけでなく、その使い方をわかっている所に円熟味を感じる。長い時間をかけて、自分の能力と限界を把握していったのだろう。

やはりフィジカルに頼らない選手は息が長い。その点でクリスティアーノロナウドは、今のトップフォームをあと何年維持できるかが気になる。メッシやルーニーボランチでも問題なくやれるけど、ロナウドは「速い」プレーかつ「自分が活かされる」ことしかできない。クオリティだけでなく、プレーの「幅」という点で長持ちしない予感。ロナウドが生き残るなら、運動量は減るものの一瞬の動き出しで裏を取るタイプのCFとしてならありえる。今の彼は7番ではなく9番なのだから、ますます「点を取る」所に特化するしかないのかもしれない。

 

話はそれたけど、楽しい試合でした。