メモ帳

千葉の田舎で生まれ、東京の出版社で働いている20代。ノンフィクションを中心に、読んだ本や観た映画についてのメモ代わりに書いています。

フットボール観戦記:ドニプロvsセビージャ

遅くなったがEL決勝のレビュー(?)。

試合開始前のセレモニーが結構大々的で驚いた。オリンピックみたい。

それはさておき、開始6分でいきなりドニプロが先制。カウンターの長いボールから、合計わずか3本のパスでシュートへ。絵に描いたようにシンプルな形。入る時はこういう風に入るんだよなー。

だがセビージャは、28分にセットプレーから追いつく。(同点になるまでセットプレーが3,4回あったが、いずれもセビージャの選手が触っているので得点の予感は大いにあった)

さらに3分後の31分、レジェスの絶妙なスルーパスに抜け出したバッカのゴールで逆転。レジェスファーストタッチで前を向いたタイミングでの、バッカの動き出しが素晴らしかった。それにしても、バッカは「9番」がしっくりくる選手。

その後も全体的にはセビージャが押し込む時間帯が続く。ただドニプロも球際を激しくいくことで、セカンドボールを奪われて波状攻撃という形を避けていた。また長いボールが中心だが、時折足元のパスワークやリズムを落とすなどの工夫もあったことが、一方的なセビージャペースにならなかった理由だろう。

ドニプロはボールを奪うと、左ウイングの10番コノプリャンカにひたすらボールを預ける。彼が唯一セビージャに対して「個」の力で打開できる選手なので、ここを突破口としたかったのだろう。コノプリャンカも期待に応え、鮮烈なプレーを見せた。

コノプリャンカはボールの運び方や左サイドからのカットイン&クロス、中小クラブのエースって感じがゼニト時代のアルシャビンを彷彿とさせる。おそらく今夏に中堅~ビッグクラブに引き抜かれると予想。

前半終了間際、ドニプロの主将ロタンがFKを直接決めて2-2の同点に。戸田さんが言ったように、たしかに良いキックだったもののGKが左側に寄りすぎていた。

 

後半もテンションの高い試合が続く。59分にレジェスが退く。とても良いプレイをしていたので見限るのが早すぎないかと思ったが、試合前から想定していたプランだったのかもしれない。

73分、ペナルティアークでのこぼれ球をヴィトロがダイレクトでバッカへ。瞬時に裏へ抜け出したバッカが左足で蹴り込み、セビージャが再び勝ち越す。結局これが決勝点となり、セビージャが2度目の連覇。ドニプロは2-3となってから、正直攻め手がなかった。コノプリャンカも前半の鋭さはなくなっていたし、交代で入ったFWもけがの影響からか満足いくプレーではなかった。(そもそも、FWにボールが収まる回数が少なさすぎた)

 

ただ、ここまで来ると予想した人は皆無だったろうドニプロが、決勝でもこれだけ良い試合をしたことには素直に感動した。ドニプロは実況の下田さんが言うように「勝たせてあげたいチーム」だった。こういうクラブが出てくるからELは面白いんだよなー。

決勝の舞台にふさわしい、今シーズンでも指折りの名勝負でした。

 

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