メモ帳

千葉の田舎で生まれ、東京の出版社で働いている20代。ノンフィクションを中心に、読んだ本や観た映画についてのメモ代わりに書いています。

東京都現代美術館:ここは誰の場所?

ここは誰の場所?の「ここ」に何の言葉を入れさせるか。それがこの展示会の持つ意味だと思う。

この前話題になっていた会田誠の『檄』『国際会議で演説をする日本の総理大臣と名乗る男のビデオ』もあったけれど、後者の方がよりクリティカルだった。

ただ、他にもっと攻撃的な作品はいっぱいあったから、もしこの2作品を撤去するなら全部の作品がアウトな気もするが。「文科省」のような固有名詞はアウトで、具体名を出さなければセーフなのか。ますます、撤去問題が思想ではなく「面子」によるものだったことが見て取れる。妻である岡田裕子の作ったビデオ(子供をクッキーの様に型にはめるやつなどの、教育を皮肉るシリーズ)の方がよほど過激だけで個人的には大好きだけどなw

「地球」「国」「社会」「町」「地域」「家族」など、おそらく「ここ」には共同体を表現するワードが入ることが多いだろうが、公共性を批判するのが「私」による芸術の役割なのはいつの時代も変わらない気がする。

あとは「子供しか入れない美術館」、面白いアイデアだった。入りたかった!