映画の感想:あの頃ペニー・レインと
完全にタイトル勝ち。「イエスタデイをうたって」ばりの名タイトル。これがもし原題の"Almost Famous"だったら、俺はこの映画を観ていなかったはず。たまにこういうタイトルを付けるから邦画版も侮れない。
映画自体は普通にまあ面白いんじゃん?まあ青春映画だしひねりがあるというよりは王道で人間関係の機微をよく描いてるなって感じ。主人公とバンドのリーダーは『BECK』のコユキとリュースケみたい。
個人的には、「グルーピー」の概念が時代と国のせいでイマイチしっくりこなかった。オッカケであそこまで付き合える時代だったんだね。日本も昔はそうだったのかな?70年代のシーンがどんな感じだったのか肌感覚でわからないからしっくりこなかったのだろう。
あと、母親と姉の和解だったりはもう少し丁寧に描いても良かったと思う。敬虔なカトリックの保守層である母親は、いわば主人公側の人たちとは真逆に位置するわけで、母親の存在が主人公にどう影響しているかや、逆に母親がどう変わっていったのかをもっと描いてもよかったと思う。(そちらがメインになると青春映画というよりもヒューマンドラマになってしまう節はあるか)
別に特別な感慨は抱かなかったが(当事者性のなさも影響しているか?)、『6歳の僕が大人になるまで』とかと同じく良質な青春映画ではあった。