メモ帳

千葉の田舎で生まれ、東京の出版社で働いている20代。ノンフィクションを中心に、読んだ本や観た映画についてのメモ代わりに書いています。

フットボール観戦記:マンチェスター・シティvsユベントス


CLがいよいよ開幕する。第1節最大の注目カードはこれ。まあこの組はどのカードも注目なのだが。(ボルシアMGも期待はしているが今季は内容結果ともにあまりにも最悪の出だしなので、デ・ブルイネ絡みの話題性も含めてヴォルフスブルクに入ってほしかった感は出てきているw)

シティはシルバが怪我からすぐに戻ってきたのが大きい。パレス戦では明らかに彼の不在が響いていた。
アタッキングサードでの崩しのクオリティが明らかに下がっており、いかに崩しの局面をシルバに依存していたかが如実に表れていたからね。


あと、スタメンはともかくベンチが豪華すぎる!直前の試合で怪我で途中交代したアグエロはともかく、デ・ブルイネにナバスにオタメンディとかチートすぎるやろ。選手層の厚さはバイエルンに次いで世界ナンバー2だと思われる。

 

余談だが、本日出場しているナスリについて。彼の使い方は、今季難しくなるかも。シルバ程抜群のパスセンスがあるわけじゃないし、スターリングのドリブルやナバスの縦へのスピードみたいな武器もない。器用な選手ではあるのだが、圧倒的な武器がないんだよねー。しかもデ・ブライネが来ちゃったわけだし。今のシティでスタメンはるにはきついかなー。別に悪くはないんだけど、あえて使う必要もないよなって感じ。

ただメンタルがアレな選手だから、控えが続いたときにどうなるかはある意味見もの。正直このスカッドなら、ナスリ放出でミルナー残留の方がペジェグリーニは10倍嬉しかっただろうね。

 


一方ユベントスは、新加入選手が多くて未だ構築中って感じ。この状況で移籍マーケットが閉まる直前にエルナネスを獲得したのは、アーセナルがアルテタを獲得した時と似ている。頭の良いアッレグリは切実にそれなりの計算できる選手を欲していたのだろう。

やはり、ピルロテベスという攻めの根幹を担っていた選手が抜けてしまったのはあまりに痛い。ディバラはポテンシャル秘めているし個人的にも大化けすると予感しているのだが、やはりリスクヘッジを考えて即戦力で計算の立つエルナネスを取ったのだろう。ディバラはアタッカーの要素が強いという点からも、中盤で試合を作れる選手を求めていた節がある。

 

また今期から10番をつけるポグバだが、彼は「6番」強いて言っても「8番」って感じ。スケールが半端ないのはそりゃそうなんだけど、細かいプレーの精度や崩しのアイデアは「まあまあ」ってくらい。もちろん並みのセンターハーフと比べたら上手いのだけれど、他の「10番」と比べたら流石に落ちる。

ポグバの長所は「奪う」「運ぶ」「決める」を一人でできてしまう点であって、「捌く」のはそこまで上手くない。正直周りがポグバに期待しすぎているし、何より期待しているポイントが違うと思う。ポグバに「10番」を求めすぎるのは、彼の良い所(例えば守備の姿勢とか)を消しかねない。(尤もポグバ程の素材なら、その期待を上回る進化を遂げる可能性もあるが・・・。とりあえず今日はヤヤの捌きを見て成長してほしいものですね。)


まあGK含めたDFラインが完成しているのは、未だに大きな強みである。個人的にクアドラードのプレイは見ていて面白いので、チェルシーでのお寒い時代を忘れさせるようなイケイケを期待。あとディバラにはぜひとも更なるブレイクをしてもらいたい。この辺りの選手が絡んで新しい攻撃の形が作れて来たら、戦力的にスクデットは堅い。スタートは躓いたが、今のセリエではやはり頭1つも2つも抜けている。


ということで試合へ。

・クアドラードは勢いがある。やはりチェルシーの様なご丁寧な攻め方よりセリエの方が水に合うのかな。
・実況の下田さんが言うように、ボニーは確かにCBコンビに対して劣勢。まあ相手が悪いとも言える。純粋なクオリティだけでなく相性的にもアグエロの方が良いからね。
・モラタはかつてのテベスのようにFWの位置から引いてボールを引き出そうとしている。それ自体は良いのだが、やはり足元がおぼつかないからプラマイゼロ。彼はまだ成長途上だし、より直線的なプレーが持ち味なのだからテベスを求めるのは酷である。こういうのはディバラの方が良い。

続いて後半。

・シティがキエッリーニのOGで先制。キエッリーニボヌッチはこういう小賢しいことをよくやるからなあ。セリエ基準でやってもCLじゃふぁうるもらえないよ。

・ポグバの神クロスからマンジュキッチが触って同点。ポグバはこういうキック自体の質は本当に高い。クアドラードも同様のクロスを何回かあげていたし、おそらく相手CBとの2対2でアーリークロスをファーに入れる形は、相手の弱点を研究して決めていた形だったのだろう。(マンガラは前の対人には強いけど裏には弱い、注意力も散漫だし)

・プレースタイルもあって今日いまいちだったモラタがまさかのゴラッソ!で逆転。結局決めればなんぼなんですよFWはww ボニーもモラタもともにいまいちだったが、ゴールという結果で明暗が分かれた。

・シティは相変わらずCLと相性悪いなー。今日も特別に悪い出来ではないのだが。(とはいえ良いわけでもない)

・逆転されてからシティがどう振る舞うかに注目して見ていたが、困った時のシルバ頼みは変わらず。縦に仕掛けられる選手がフィールドに残っていなかった&アグエロが怪我明けだった(それでも前は向こうとしていた)のもあるが、1-2になってからの攻め方には不満が残る。追いつくための明確なビジョンがなかったよね。デ・ブライネも、ここではまだ王様どころか王子ですらないことがよくわかった。(流石に来たばかりだから仕方ないが)

・何よりペジェグリーニに戦術的な幅がないことだよね、問題は。ロングボール使うでもなく、サイドから攻めるでもなく、試合展開に応じた戦い方ができないのは致命的。横綱相撲が出来る時は華麗&豪快に押し切れるけど、今日みたいな状況になった時に打開できるようには見えない。

 ・それでも選手のポテンシャルは欧州随一だから、トータルではかなりの成績は残せるかと。ただ、シーズン中に2,3度ある「天下分け目の一戦」に勝てるようには見えないなあ。去年のバイエルン戦みたいに毎回アグエロの「神がかり」に頼るわけにもいかないし。