映画の感想:『レヴェナント』
表現したかったものは『野火』と少し似ていて、映像世界が対比できるような作品だなあと感じた。かたやフィリピンの熱帯地獄、かたや西部開拓時代の極寒世界。どちらにも共通するのが、圧倒的な自然とそこで血みどろの戦いを繰り広げる男たち。
やはり撮影監督のエマニュエル・ルベツキは天才。映像の質感というかなんというか(自分に映像を見るセンスがあるとは思えないが)、あまりに陳腐だが「美しさ」が図抜けている。それぞれにあった質感を出せるのは本当にすごい。
ストーリーはまあ普通。悪くはない。今回は奇想天外な物語を作るのではなく、あの極寒のサバイバルを表現したい!というのが出発点にあったのだろう。
とにかく映像のすさまじさたるや。特にディカプリオが馬の死体からはらわたを引きずりだし、その中で眠るシーンは圧巻。