映画の感想:スパニッシュ・アパートメント
賢くて教養があり映画好きの先輩と飲んだ時に「一番好きな映画なんですか?」と聞いてみたら、即答で「スパニッシュ・アパートメント」(というかクラピッシュの青春三部作)を挙げられた。自分の好きな人の好きなものは何にせよ触れてみる価値はあるよね、ということで見てみる。
まあ、結構面白かった。共同生活の緊張感とけだるさがリアルに表現されているし。ただ、主人公の心理変化が大げさすぎない?まあ多感な時期だからか。にしても、パリからバルセロナってそんなに遠くないのに、あんなに「留学したった感」は出るの?日本人が中国に留学するようなもんなのかな。多文化理解だのアイデンティティだの人生の自立って感じのテーマを扱ってたけど、そんなん抜きにして共同生活のコメディとして面白い。随所にちょっとシリアスな感じを出そうとしてたけど、それはなくても良かったかもね。
群像劇って基本的にどれも間違いなく面白い、というか外れにくいと思う。だって、誰か一人でも感情移入できるキャラがいればOKだから。個人的にはハンターハンターのゲンスルーぽい奴が一番好きだった。
ただそれは逆に、ホームランにはならないとも言えるけど。どの作品も80点、醤油ラーメンの理論だな。ラブ・アクチュアリーとかもその類?
あと単純に、ウェンディの彼氏を引き留めるくだりはメチャクチャ面白くて笑った。こういう笑いの撮り方はやっぱり日本ではできない面白さ。
あ、あとテラスハウスでレディオヘッドのNo surprisesが流れるのは間違いなくこの映画に影響されたんだろうな。
使っている曲数は少ないけど、どれもかかるタイミングが良いイメージ。ただNo surprises流し過ぎかも。菊次郎の夏で「良い曲だけど、流石にsummer使い過ぎじゃね?」と思ったのに近い。