フットボール観戦記:ユベントスvsバルセロナ
ついに今シーズン最後の試合。観戦中に書いていたメモを清書しながらふりかえる。
現地実況に西岡さん、解説にザッケローニさんと水沼さん。スタジオ実況は倉敷さんで解説は川勝さんと岡田さん。ファイナルだからスカパーが全力を出してきた件。
やはり、西岡さんと倉敷さんが実況ツートップなのは間違いない。(決勝だからか、倉敷さんのスーツがいつにも増して気合入っている)
八塚さんとか下田さんも味があって好きだけど、間違いなく西岡さんが日本一「良い」実況だと思う。クラッキーは個人的にはとても好きな実況だが、好みは別れるタイプ。
解説陣も豪華。それにしても、岡田さんの解説は面白い。的確なことはもちろん、それ以上に「他の人と違うこと」をズバッと言ってくれる。流石第一線で監督やってたなーと、貫録を感じる。日本人解説者の中では図抜けているね。W杯の時も「自分ならこの状態のメッシは使わない」って言い切ってたし。ザックとのかけあいも面白かった。個人的には、戸田さんの解説を聞きたい気持ちもあったけれど。
では試合の話へ。メモから振り返る。
【試合開始】
・ユベントスにとって考えられる限り最悪の立ち上がり。先制パンチのせいで気持ち的にも受けに入ってる。ここで頑張るのがビダルだけど、それが仇となって退場しそうで怖い。
・ビダルは退場フラグしか立ってねえwww
・メッシの「対角線スルーパス」は今シーズンを象徴するプレイ。メッシがボールを持った時点で、右SBはそれを意識する必要がある。
・今のメッシ(と書いて神と読む)はノールックでもノーステップでもピンポイントで左のアルバまたはネイマールにボールを通せる。化物か。「天才」という言葉はメッシにこそふさわしく、他の選手に使ってはならない。1人だけ4次元の世界にいるみたい。あと、今の髪型が一番かっこいい。
【その後もバルサペースが続く】
・バルサの選手たちは、自分たちのサッカーをすれば勝てるという確固たる自信(≠油断)を持っている。だからプレイが充実している。
【前半終了】
・ユーベはこの内容なら前半0-1でも御の字と考えて後半に切り替えるべき。
【後半開始】
【ユベントスがモラタのゴールで追いつく】
・バルサは追いつかれたとはいえ、今まで通りのサッカーをすれば良いだけ。ただユーベのインテンシティが上がってきたから、そこに注意は必要だけど。ユーベはファールが怖い。特にビダルの退場。
・ユベントスはバルサの闘牛士のように華麗なポゼッション(それでもベップ時代からは劣化したが)はできないけど、相手に体預けてしっかり奪われない繋ぎが出来ている。テベスのチャンスも一つずつプレスをブロックして、しっかりと繋いだことで生まれた。
・ユーベの中盤から前は全員ミドルシュートにパンチ力があるから、シュートレンジの広さでバルサを上回る。だから多少遠い位置からの攻撃でも、相手を崩し切らないでも、攻撃をフィニッシュできるのが大きい。
・ユベントスの良い所が出て盛り上がってきたけど、オープンな展開になれば結局最後はバルサが勝ちそうなんだよな~。そりゃもうメッシの所から。
・ポグバリーチなげえwwwwそれでいてあの柔らかさだからなあ。「しなやか」という言葉が本当にぴったり。
【メッシのシュートのこぼれ球をスアレスが押し込んでバルサが勝ち越す】
・ボヌッチは1on1でメッシ止められないのだから、イエロー覚悟でファールするべきだったな。ファールすらできなかったのかもしれないが。
・エンリケがラキティッチを残すのは、守備のインテンシティが計算できるからだよね。もちろんポゼッションの技術もあるし、カウンターの局面でも顔を出せる。
・チャビはいつか監督としてバルサに帰ってくる気がする。プレイだけでなく発言から見るにベップ以上のポゼッション原理主義者だから、相当変態なチームを作ると思うんだよなー。逆にバルサ以外で監督やったらすぐ解任されそうだけど笑
・間違いなくベップ時代のバルサの方が美しいけど、今のバルサの方が「破壊力」はあるのかもしれない。守備に回った時に選手の距離感が引き伸ばされるのを逆手にとってカウンターのパワーに繋げるのは、「バルサのレアル化」と言える。
・ネイマールのゴール取消の判定は微妙だな。意図的に触ってはいないけど、手に当ったことで結果的にブッフォンが飛ぶタイミングを外してしまっているからなあ。あと、1-3になる試合展開を考慮されたのかもしれない。どちらの判定でも疑問は残るけど。
【後半ロスタイム、カウンターからネイマールがとどめの一撃。そして1-3で試合終了】
・最早いまのメッシはファールで止めることすらできないのか…。
・ユーベはよく戦ったけど、実力通りの差が出た試合だったな。むしろよくここまできた。現状でのベストを尽くしたことは間違いない。
・今までバルサ対策は①バス停(モウナチオが代表例)②ゲーゲンプレス(クロップやシュミットのやり方、シメオネは①②のミックスだが②が強い)があったけれど、今のバルサは①②のどちらも崩す現実性がある。戦い方の幅という意味ではベップ時代より広い。ベップバルサが切れ味抜群の日本刀なら、エンリケバルサは銃剣って感じ。カリスマ性は前者になるけどね、どうしても。
・今のバルサの強みは、狭いスペースの局面だけでなく、広いスペースの局面でも問題なくプレイできる点なんだよなー。はじめの一歩のリカルドマルティネスみたく、丁寧な戦いと野生の戦いの両方が最強。エントロピーに関係ない戦いが出来るのは、チート3トップがいるから。まあ現実問題としての強さという意味では、今のバルサは相当強い。