メモ帳

千葉の田舎で生まれ、東京の出版社で働いている20代。ノンフィクションを中心に、読んだ本や観た映画についてのメモ代わりに書いています。

フットボール観戦記:チリvsペルー

いま一番アツいチーム、チリ代表。いや、5年前からアツいんだけどね。
ということで準決勝のペルー戦。ぶっちゃけウルグアイ戦に比べたら大一番感は薄い。「まあペルーになら勝てるんじゃない?」とか思ってしまう(失礼)
ただ地域的にも両国はライバル関係にあり、両国の試合は「太平洋ダービー」と呼ばれるそうな。それもあって、チリサポーターは今日も一際の大声援&大ブーイング。

準決勝まできたこともあり、今日の解説は岡田さんと城幅さんの2人。実況も安定の西岡さん。
しかし、岡田さんの解説は相変わらず面白い。自分の思ったことをそのまま喋るから、ありがちな話にならない。この芸当は岡田さんという様々な経験を持つ人だからできることだろう。他の人が生半可に真似しても痛いだけになる。

前半は案外とペルーのペース。もう少しチリが押し込むと思いきや・・・。これは①ペルーの前線の調子の良さ②チリDFに対する相性の良さが関係しているように思えた。
①だが、まずゲレーロがキレキレ。前の試合でハットトリックしていることが影響しているのか。やはりどのスポーツでもオフェンスは水ものであることがわかる。そして怪我明けのファルファンも、本調子ではないと言えダイナミックな攻撃を見せる。今までの試合を休んでいることが身体のキレに繋がっている。②チリにとってゲレーロのようなボールの収まるCF、ファルファンのようなゴリブラーは「天敵」だろう。オシムジャパンを筆頭に日本代表を思い浮かべればわかるように、チリはフィジカルでダイナミックに押されると結構きつい。ドログバのようなCFあるいはベイルの様な縦に速くて強いドリブラーが天敵である。
※この点、チリはもしアルゼンチンと決勝を戦うとしたらメッシよりもテベスに注意するべきかと。(テベスが出るかはわからんが)

だが前半20分、ペルーのCBザンブラーノが相手を蹴ったとして一発レッドで退場。少し可哀想な判定だが、その前に1枚イエローをもらっていたので仮にこのプレイはイエローカードだったとしても退場なのだが。
これでペルーは8番のクエバを下げ、CBを投入し4-4のブロックを自陣に引くスタイルへ変更。それにより、チリが押し込む時間帯が続く。

0-0の時間が長く続くことは避けたいチリだったが、前半の内に意外とあっさり先制する。サンチェスが得意な左45度からのカットイン。(相手をぶち抜くネイマールと比べて、サンチェスはより小回りが利くから「かわす」ってイメージが強い。)そのサンチェスがDFを1枚剥がして、ラインの背後へクロス。これをアランギスがスルー。(おそらく自分がボールに対して合せるのが難しい角度にいること&ボールの軌道を把握して意図的にスルーしたはず。)そのままボールはポストに当たって跳ね返り、バルガスの足元へ。これを辛うじて押し込んでチリが先制。そして前半終了。

後半もチリペースだが、時折カウンターからペルーもゴールを脅かす。そして15分頃、ペルーがカウンターからメデルのOGを誘い同点に。メデルは触らなかったら失点していたから仕方ない。クロスをほめるべき。(もちろん安易にカウンターを許したこと自体は問題だが)

これ1-1のまま残り10分とかになったらブラジルの二の舞あるで・・・とか思っていたら、バルガスが半端ないミドルシュートを突き刺して再び勝ち越す。今大会のベストゴール賞はもらったなこれ。ほんとに南米の選手は体幹が強い。だから斜めや横にボールを運んでも強いキックが振れる。

しかしチリは、縦に速いプレーに弱いなあ。相性としてペルーは苦手だと感じた。(W杯のオランダのようなものか。)
また、低身長だから当然のことながらクロスにも弱い。結構あっさりとフィニッシュまで持ち込まれるシーンが多いのは大きな課題。もちろんプレスで迅速にボールを回収するのが基本的戦術ではあるものの。

結局チリが逃げ切って決勝進出。内容の優れたチームが勝ち上がることは嬉しいねえ。「正義は勝つ」じゃないけど、国際大会って後から振り返れば一つの物語になるんだよなーと。例えばスペインやドイツがW杯で優勝した時も、一歩間違えれば敗退する危険が幾度もあった。けれど優勝したのは、時代の要請というか、大きな歴史みたいなものがあったからなんだろうな。抽象的かつ後付けの結果論だけど。

後で振り返った時に「あの大会はあのチームが優勝するのが時代の流れからして必然だった」ってなることが多いと思う。CLも大体はそう。(数年に一度は微妙な展開もあるが)

話はそれたけど、チリにはぜひ優勝してほしい!お前らのためにスカパー解約しなかったんだから4000円分の興奮でお返ししてくれよ!笑