メモ帳

千葉の田舎で生まれ、東京の出版社で働いている20代。ノンフィクションを中心に、読んだ本や観た映画についてのメモ代わりに書いています。

フットボール観戦記:アトレチコ・マドリーVSレアル・マドリー

 

CL準々決勝、因縁のマドリードダービーアトレチコは昨年のCL決勝で惜しくも敗れて以来、レアルに対して6戦無敗。いや、冷静にこれはとてつもない戦績である。この前のダービーなんて、いくらレアルの調子が悪かったとはいえ4対0で圧倒してた。ただ、レアルも最近は復調気味である。そのため本当に、どちらが勝ってもおかしくない。

 

さて、単純に試合を観るのも楽しみだが、心情的にはアトレチコを応援したくなる。

冷静に考えて、レアルと互角に見られている時点でアトレチコがいかに「ありえない」ことをしているのかがわかる。クラブの金銭と成績が比例するサッカー界において、予算規模の比較的小さいながらも勝利を重ねるアトレチコは「希望の星」だ。現代サッカー界の不条理さを少しでも知っている人なら、アトレチコを応援しないわけにはいかないのだ。

シメオネ率いるアトレチコは本当に「負けにくい」チームで、安定感が抜群。ROIという観点から見れば、欧州全クラブの中で断トツのナンバーワンだろう。技術や走力もある程度優れているのだが、何と言ってもメンタル面がスゴイのだ。あの集中力とガッツを、ピッチ上の全選手が90分間保つことは容易ではない。

 

 

 

前置きはここまでにして、いざ試合開始。文字で書いてもほとんど何も伝わらないので、見てほしいと言うしかない。それもあって、試合展開と結果はあえて書かないでおく。ただただ、素晴らしいゲームだった。サッカーの「得点をめぐる緊張感」がこれでもかと詰まった、超濃厚な試合である。

ゲーム開始のホイッスルから90分間、まさに息をつかせぬ展開。一瞬でも隙を見せたら首が取られるこの緊張感は、言葉で表せるものではない。こちらも、一つ一つの局面を注視する必要がある。

う~ん、いつになったらこの緊張感を、日本代表やJリーグの試合で感じられるのだろうか。

(別にJリーグを批判するわけではない。単純に積み重ねてきた時間が違うし、個人的にJリーグにはまた違う楽しみ方があると思う。)

 

最後に、2ndレグへの展望を少し。

アトレチコは、右サイドの攻撃がポイント。

やはりレアルの3センターは、ある程度のハードワークこそできるものの対人守備能力という点では難がある。(そもそも、元々中盤の攻撃的なポジションが本職の「華やかな」選手たちに、対人守備を求めるのは酷である)

ただし、レアルにはそれを補ってあまりあるCBの個人能力がある。バランとラモスはやはり半端ない。だから、サイドを崩されても対応が出来る。単純なエアバトルでは、いくらマンジュキッチでも辛い。(トーレスやグリーズマンなら尚更)

とは言え、サイドを「完全に」崩し切れば勝機はある。特にアルダとファンフランの右サイドは、前線が守備しないロナウド&守備苦手なハメスだから2対1を作りやすい。アトレチコとしては右サイドをえぐって、できればPA内まで侵入したい。守備を放棄したロナウドによるカウンターは恐怖だが、しかるべきタイミングで攻める「勇気」が必要だ。 

 

一方レアルは、ドリブルとロングボールを多用することが望ましい。この試合で最も可能性を感じさせたのが、長いボールをベンゼマに収めさせる展開と、マルセロの単独突破。ロナウドやベイルといったバケモンには、どうしても1,5~2枚はDFがつかざるを得ない。そのため、レアルのSBには比較的攻撃の「時間的余裕」が与えられる。(それでもアトレチコの寄せは相当早いが)

レアルとしては横パスをカットされるよりかは、多少強引にでも縦への突破を混ぜていくことが求められている。(マルセロがサスペンションなので、その役目はコエントランに託されたわけだが)

 

そういうわけで、2ndレグはアトレチコの右サイド(=レアルの左サイド)が勝敗の鍵を握っているかと。あー楽しみ。それにしてもアトレチコは良いチームだなあ。