メモ帳

千葉の田舎で生まれ、東京の出版社で働いている20代。ノンフィクションを中心に、読んだ本や観た映画についてのメモ代わりに書いています。

ラブライブ!「スクスタ」20章のストーリーが荒れている理由と所感

■まえおきラブライブ!のスマホゲーム「スクスタ」が荒れている。10月31日15時より配信された最新のストーリー(20章)の展開に不満を抱くユーザーが多いためである。 スクスタは「スクフェス」に続くラブライブ!シリーズのスマホゲームアプリである。アプ…

ブラッククランズマンの感想

ブラッククランズマン 感想 スパイクリーって感じの映画。ラストのノンフィクションへの反転のさせかたとか。 アダムドライバーやはり好き。心理が読めない間抜けキャラやってる方が好きだけど。 kkkを馬鹿にするのは面白いけど、彼らをコケにしても問題は解…

2017年に読んで面白かった本その① 死してなお踊れ: 一遍上人伝(栗原康)

2017年は以前にも増してたくさん面白い本を読んで、新しい書き手と出会えて楽しかった。 出版産業の構造不況とか十何年も言われていて、この状況が(加速的に悪化することはあるにせよ)止まることはないと思うが、目の前に面白いコンテンツがうまれ続けてい…

2016年の面白かった本

【フィクション編】 ◆特別賞◆『君を嫌いな奴はクズだよ』木下龍也作家の道尾秀介さんがオススメしていた歌集。「目の付け所が面白いな~」と思わず唸る俳句が集まっています。日常風景はもちろん、アニメ、タレント、戦争まで何でも題材にしているのがすごい…

映画の感想:『シン・ゴジラ』『葛城事件』

シン・ゴジラは面白かった。現代ビジネスの記事が一番よくまとまっていると思う。 ・ゴジラ=原発(震災)in東京 ・最後は「破壊」「終息」できずに「共存」する運命 ・市井の人々や主要キャラの家族などミクロの話は一切展開されず、国の中枢の意思決定が中…

2016年上半期直木賞寸評

あくまで「候補作の」「クオリティだけを」評価するならば 荻原浩>伊東潤=原田マハ>門井慶喜>>壁>>米澤穂信=湊かなえって感じかなあ。正直、荻原さんが受賞するとは思っていなかった・・・笑 荻原浩『海の見える理髪店』:巻頭の表題作『海の見える…

映画の感想:『スポットライト』

邦題は『スポットライト~世紀のスクープ~』なのだが、『SPOTLIGHT』だけの方がシンプルでカッコいいよね。『レヴェナント~蘇りし者~』も、素直に『REVENANT』となっている方が良い。まあ、それだと売れないんだろうけど…。 本格社会派ドラマで、アカデミ…

フォントのふしぎ

という本がぐう面白い。 LOUIS VUITTONはfutura mediumの字間を空けている。 マイケルのTHIS IS ITで使われたtrajanはトラヤヌス帝記念柱の文字を忠実に再現している。 GODIVAはtimes romanからtrajanに変えて、その後さらにtarajanからセリフを取り去った。…

映画の感想:『天空の蜂』

SYNODOSでのPR記事を読んで興味を持っていたのだが、そこでの話通りなかなか興味深い作品だった。 synodos.jp やはり、エンタメと純文学の境目が消失してきているのと同じで、映画もエンタメ性とメッセージ性を両立させることが当たり前の世界になってきてい…

映画の感想:『オデッセイ』(火星の人)

この映画はボウイの『Starman』の流れるシーンがクライマックスである。あそこが作品で表現したかった全てである。正直、その後の地球着陸などは余談でしかない。 平田オリザの「問いの立て方」を基にすると、この作品はそれが非常にうまくいっている。とて…

【美術展見聞録】雑貨展

「動きのカガク」のキュレーター(?)が菱川勢一だったのに続き、今回の「雑貨展」は深澤直人。 プロダクトデザインってやはり面白い。ベルリンでバウハウスミュージアムを訪れた際にも感じたことだが、「ほらほらこれが美術作品ですよ~!」ってならないの…

【美術展見聞録】キセイノセイキ

ディズニーランドかってくらいの長蛇の列をなすピクサー展を横目に向かう。案の定、人は少ない。 非常に興味深かったのは、報道カメラマンの横田徹さんが撮影した映像が展示されていた点。美術展が「美術」の枠を拡張しつつあることがわかる。(今回のテーマ…

【美術展見聞録】谷崎潤一郎文学の着物を見る+『細雪』の感想

会場内は思ったよりもにぎわっていて、着物をみにつけた奥様方が多かったのが印象的だった。ここを訪れた後に『細雪』を読んだので、作品への満足度は上がった。 ついでに竹久夢二の方も見れて満足。内藤ルネや水森亜土など20世紀の日本を代表するイラストレ…

【美術展見聞録】MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事

「明日来ていく服を提案する」というウチのスタイルとはベクトルが異なるが、面白かった。 シリコンを流し込んでかたどった服や、サーキュラーという丸い一枚の布からかたどった服などを見て、自分が今まで想像していたよりも、服ってもっと自由なんだなと感…

映画の感想:『レヴェナント』

表現したかったものは『野火』と少し似ていて、映像世界が対比できるような作品だなあと感じた。かたやフィリピンの熱帯地獄、かたや西部開拓時代の極寒世界。どちらにも共通するのが、圧倒的な自然とそこで血みどろの戦いを繰り広げる男たち。 やはり撮影監…

映画の感想:太陽を盗んだ男

1979年の日本でこんな映画が公開されていたのか…!という衝撃。今日の映画やアニメで表現されている大抵のポリティカルフィクションより、圧倒的で馬鹿馬鹿しくてスタイリッシュで面白い。電電公社の逆探知やストーンズ公演の芝居は、『ダークナイト』におけ…

映画の感想:マグノリア

『ブギーナイツ』に続いてのPTA。オリジナル脚本でこれが作れるのはスゴイ。 興行的にはイマイチだったようだが、確かにこちら側が理解するために労力をかける必要のある作品ではあった。あと個人的に、彼はもっとポップで明るい中にも悲劇性のこもったよう…

映画の感想:ブギーナイツ

PTA(学校のアレじゃないよ)ことポール・トーマス・アンダーソンがその名を知らしめた作品。『インヒアレント・ヴァイス』を先に観ていたせいか、撮り方や台詞回しでニヤニヤするシーンが多かった。 やはりPTAはテンポの良さが素晴らしい。観ていてストレスが…

2015年に観て面白かった映画たち

【今年公開ではない映画】 5位:秋のソナタ 4位:ノッキンオン・ヘブンズドア 3位:ノーマンズランド 2位:七人の侍 1位:マルホランドドライブ 【今年公開の映画】5位:インヒアレントヴァイス 4位:セッション 3位:ナイトクローラー 2位:Mommy 1位:バー…

2015年個人的に面白かった本たち

2015年個人的に面白かった本たち (※今年「出された」本ではなく、今年「読んだ」本)【新書編】10位:タテ社会の人間関係/中根 千枝まあ有名な作品。こうした社会心理学では、山本七平の『空気の研究』も非常に面白い。また、こういった「日本文化論」(『菊と…

歴史は終わらない、けれど・・・

フランシス・フクヤマの『The End of History?』を読んでいる。 What we may be witnessing in not just the end of the Cold War, or the passing of a particular period of post-war history, but the end of history as such: that is, the end point of…

映画の感想:『アリスのままで』

よく心の中で賭けをすることがある。視力と聴力、あるいは右腕と左足ならどちらを残すか、みたいな。 で、この賭けの中で最後まで残るのが「コミュニケーションをする力」である。だから自分の場合、視力と知的能力だけは最後まで残っていてほしい。あと最低…

映画の感想:『サンドラの週末』

最近読んだ平田オリザの『演劇入門』の中に、「問いの立て方で物語は決まる」という旨の話が合った。その話では『ロミオとジュリエット』『忠臣蔵』などを例に出し、「自分ではどうしようもない運命を前にして、人間がどう振る舞うか」が演劇の肝であり、そ…

映画の感想:<Mommy>マミー

率直に、すっげえ「巧い」映画だなあと。 「家族」というテーマは超王道だが、キャラクター描写のうまさ(何気ない表情やセリフ)や演出で、深く感動的に仕上げている。 文学みたいな映画だなと感じるシーンが多かった。、ママの運転中の走馬灯は完全に文学で…

映画の感想:『博士と彼女のセオリー』

フェリシティ・ジョーンズが可愛すぎる。以上。 映画はやっぱり劇場で観てこそだなあ、としみじみ思う。単なるストーリーだけならDVDでも拾えるけど、劇場だから集中できるし伝わるものがある。いわゆるアウラってやつですね。なんでも電子化!って人は映画…

フットボール観戦記:マンチェスター・シティvsセビージャ

3,4節はグループ全体の行方を占う試合が多く組まれている。「死の組」でおそらく2位争いをするだろうクラブの直接対決。 ほぼ互角の戦い。もう少しシティが押し込んでセビージャがカウンターって感じかなと思っていたのだが…。アグエロ&シルバの飛車角落ちと…

フットボール観戦記:ナポリvsフィオレンティーナ

今節の主要リーグで最大の注目カード。個人的にはナポリの方に可能性を感じている。ヴィオラは「綺麗」だけど「えげつなさ」にどうしても欠けている。ナポリの方がクオリティだけでなく、最後に決めきる強さがある。要はそれがタレント力ってやつなのかもし…

フットボール観戦記:アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッド

きもてぃーーーーーー!相手が嫌いなマンUだから尚更。 ジルーと比較した時にウォルコットを1トップで使うメリットは、何よりもショートカウンターの威力が上がること。エジルらの縦パス一本で決定機へ繋げることが出来る。ボールの引き出し方も上手になって…

映画の感想:『ゼロの未来』

テリー・ギリアム。近未来の街並みの描写はwktkして楽しかった。『時計仕掛けのオレンジ』もそうだけど、やはり映像という形で世界観が可視化されると気持ち良い。 ただ話としては『チャッピー』と同様に、0と1の間をもっと突き詰めてほしかった。なぜ0の定…

映画の感想:チャッピー

まあ、よくあるSFとしては面白かった。けれど、どうしても気に入らない。 なぜならこの映画は、SFが扱う「魂とは何か」「自我とは何か」という最も重要な問いに応えていない。要は、0と1の間をガン無視しているからだ。 別に正解なんてあるわけないし、皆そ…